歯科衛生士として長くキャリアを積んでいると、「年齢的に限界を感じてしまう」という悩みが増えてきますよね。
私も40代に突入すると共に、このような不安がよぎりました。
「若い子と比べられてないかな?」
「体力的にもう無理かも…」
「技術の進歩についていけない」
「歳を取ったらもう終わりなんだろうか」
悩まされ続けると更に自信を失いかけた時期が長く続き、しんどかった記憶があります。
でも今は、自分の気持ちと向き合いつつ、少しずつ自身を取り戻して、患者さんや若いスタッフと良い関係を築いています。
むしろ「年齢を重ねたからこそ」信頼され、選ばれる場面が増えてきました。
今回は、そんな私自身の経験をもとに、
「歯科衛生士は歳を取ったらどうなるのか?」「どんな働き方ができるのか?」をお伝えしたいと思います。
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体力・筋力、視力の衰えを感じる
歯科衛生士の仕事は、思った以上に体力を使う「肉体労働」です。
長時間の診療アシストやスケーリング、訪問診療での移動など、体への負担は年々大きくなります。
腰痛・肩こり・手指の腱鞘炎など、40代以降の体は確実に変化します。
そして長年目を酷使してきたせいか、最近は目の衰えを実感しております。

体力の衰えだけでなく、アラフォーはメンタルも大きく変化をしますよね。
若いスタッフとのギャップやプレッシャー

若い衛生士さんの方が患者さんに人気があるかも…

新しい器具やシステムを理解するのが遅くなった気がする
患者さんが若い歯科衛生士と楽しそうに話しているのを見ると、なんだか少し寂しくなることもありますよね。
若手のスタッフが器用に新しい機器やアプリを使いこなすのを見て、「私って遅れてる…?」と感じる場面もあるかもしれません。
決して比べたくなくても、ふとした瞬間に自己肯定感が揺らいでしまう。それが年齢を重ねた歯科衛生士のリアルです。
そんな劣等感に悩む人も少なくありません。
技術のアップデートが難しいと感じる

若いスタッフがデジタル機器のやり方をすぐに覚えたのに、私はまだ使いこなせない

新しい器具にチャレンジする気力がない
歯科医療の世界は日進月歩です。
口腔内スキャナーやデジタルレントゲン、インプラント治療などの外科治療、どんどんクリニックに新しい技術が導入されて、負担に感じる人もいます。
特にデジタル系の機器は、最初の取っつきにくさがありますよね。
将来の収入や働き方に不安を抱く
「今後もずっと週5フルタイムで働ける?」
「パートに変えたら収入が激減しそう…まだ子供にお金がかかるのに、、、」
という将来設計への不安も深刻です。
また、家庭の事情や介護、自分自身の健康面など、40代以降は人生の中で変化が起きやすい時期です。
今までバリバリ働いてきた年代だからこそ、「今までと同じ働き方ができない」ことを、「後ろ向きなこと」として捉えてしまいがちなお年頃です。
自分の価値や役割が見えなくなる

もう辞めどきかもしれないです。

新人指導も疲れるし、私の居場所はもうないのかも…
長年働いてきた職場で、ふと「もう私の役割ってないのかも…」と思ったことはありませんか?
新人教育も体力が要るし、診療も若いスタッフに任せた方が早い。
「なんだか、私は何のためにここにいるんだろう」そんな虚しさを感じた経験、きっと誰にでもあると思います。

歯科衛生士は、歳を取ってからも長く働ける業種だということが、厚生労働省が発表した令和4年の衛生行政報告例でわかりました。
令和4年の就業歯科衛生士数を年齢階級別にみると、50歳以上の割合が、過去最高の26%になりました。2010年の結果(人数)を基準とすると、「50~54歳」では2.3倍、「55~59歳」では3.5倍、「60~64歳」では4.7倍、「65歳以上」では7.6倍と、いずれも大きく増加しました。
日本歯科衛生士会のWEBページより引用
その主な理由を3つ紹介します。
豊富な経験と観察力が信頼を生む
長年の現場経験を積んできた歯科衛生士には、直感的な観察力と的確な対応力が自然と身についています。
患者さんの表情、声のトーン、ちょっとした仕草から「今日は少し体調が悪そうだな」と察する力は、若手にはなかなか真似できないものです。
特に高齢者やお子さんのケアでは、表情や反応を細やかに読み取る力が求められます。
「今この患者さんは、どうしてほしいのか?」という“心の声”に気づけるのは、これまでに数え切れないほどの患者さんと向き合ってきたベテランならではの強みです。
コミュニケーション力が圧倒的に高い
年齢を重ねると、患者さんへの声のかけ方や説明の仕方に自然「余裕」や「落ち着き」が出てきます。
緊張して来院した患者さんにも、「大丈夫ですよ」と優しく微笑みながら話しかけるだけで、ふっと表情がゆるむ。
そんな瞬間、ありませんか?
初めての歯科医院に不安を感じている患者さん、小児の保護者、ご高齢者など、「人の心をほぐす力」はベテラン衛生士の最大の武器です。

安心感のある距離感で信頼関係を築けるのも、ベテラン歯科衛生士ならではの魅力です!
若いスタッフの「橋渡し役」になれる
若手スタッフと院長・患者さんとの間で、うまく潤滑油になれるのもベテランならでは。
「話を聞いてくれる先輩」「さりげなくフォローしてくれる人」として感謝される存在です。
若いスタッフの支えになったり、患者さんの悩みをじっくり聞けたり、
今の私たちにしかできないことが、実はたくさんあるんです。

働き方1|パートや短時間勤務で無理なく継続
体力や家庭の事情に合わせて、週2〜3日勤務や午前のみ勤務など、柔軟な働き方を選ぶ歯科衛生士が増えています。
“フルタイムで頑張る”ことだけが正解ではありません。
実際に、パート勤務でも「○○さんが来る日じゃないとダメなの」と患者さんに言っていただけるケースも。
時間が短くても、一つひとつの関わりが濃い仕事ができるのが、今の時代の働き方です。
働き方2|院内教育・新人育成担当として活躍
「体力的にチェアサイドは少し厳しくなってきた…」
そんな方は、新人教育やマニュアル作成、院内セミナー講師など、「伝える側」として活躍する道もあります。
自分が若い頃に感じた不安や疑問を思い出しながら、後輩たちにわかりやすく教えてあげたり、、
その姿勢こそが、クリニック全体の技術や意識を底上げする存在になります。
働き方3|ブログやSNSで情報発信
最近では、ブログやInstagramを通じてキャリアや知識、心の葛藤を発信する歯科衛生士も増えています。
「現場のリアルな声」「年齢と向き合いながら働くヒント」などを発信することで、
同じように悩む歯科衛生士たちにとって大きな励みになるだけでなく、自身の経験の再確認にもつながります。

実際私もこのように発信させて頂いているのも20年以上の経験値を積んでいるからだと思っております。
読んで頂いている皆様のお役に立てるよう頑張ります!!

少し前までは、「歯科衛生士=若い女性の仕事」と言われることも多かったですよね。
しかし、私が所属しているスタディーグループやお勉強会は諸先輩方も沢山いらっしゃいます。
先輩は続けてきたこと🟰自体が価値として認められる時代を築きあげてきました。
そして何より、自分の中に積み重なった知識と経験は、誰にも奪われない財産と自信を持って歯科衛生士を続けていらっしゃいます。
私自身も、数年前に体調を崩して「そろそろ辞めようか」と悩んだ時期がありました。
でも、働き方を先輩に相談し、少し働き方を見直しただけで、「私はまだまだ働けるぞ」と実感できるようになりました。
皆さんがこれまで積み上げてきた経験や知識は、これからの誰かを支える「光」になる可能性を秘めているかもしれません!
「もう歯科衛生士を続けるのは無理かもしれない」と思ったときこそ、立ち止まるチャンスです。
そしてその時こそ、自分に問いかけてみてください。
- 本当に“年齢のせい”なの?
- 自分に合った働き方は、他にあるのでは?
- 今の私にしかできないことって、なんだろう?
私のように「まだ歯科衛生士人生、大丈夫かもしれない」そんな風に思えたなら、皆さんの中にもう「次の一歩」が生まれていますよ。

たとえフルタイム勤務を辞めたとしても、現場を離れる決断をしたとしても、それは「終わり」ではなく「始まり」です。
一緒に頑張っていきましょう!!
お読み頂きありがとう御座いました☺︎
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