
歯科衛生士の仕事がもう厳しめで辞めたいです…

転職を考えていますがどのようにしたらいいですか?
歯科衛生士として働いていて、上記のような悩みを抱えている方も多いと思います。
また、患者さんとのトラブルや、人間関係やキャリアアップの悩みなど様々な悩みや葛藤に押しつぶされそうになり、出口が見えないと感じているかもしれません。
この記事では、など、歯科衛生士歴20年以上の私、あおリンが今までの経験も踏まえて歯科衛生士を辞めたいと思う理由と解決方法を詳しくお話します。

悩んでいる歯科衛生士さんの参考になれば嬉しいです!
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歯科衛生士は、やりがいのある仕事である一方、離職率も高い職業です。日本歯科衛生士会の調査によると、歯科衛生士の離職率は約20%と、他の医療従事者に比べて高い数値となっています。
現在、「転職または勤務先を替えたいと考えている」割合が、20~39 歳で 2 割を超えており、その
日本歯科衛生士会 歯科衛生士の業務実態調査 より引用
内 5%は歯科衛生士以外の職を考えています。
歯科衛生士の仕事は、患者とのコミュニケーション、診療業務、記録管理など多岐にわたりますので、やりがいを感じられる一方、以下のようなストレス要因が存在します。
歯科衛生士業務のストレス
歯科衛生士として働く上でのストレスは多岐にわたります。主に、長時間に及ぶ集中力が求められる治療や、高い精度での作業が常に求められる点が挙げられます。
さらに、患者さんの痛みに対する配慮や、治療中の細かなコミュニケーションがストレス源となることもあります。
これらのプレッシャーは、日々の業務を重く感じさせ、精神的な負担を増大させる原因となります。
患者さんとのコミュニケーション
- 患者さんとのトラブル (クレーム、暴言、治療への不安)
- 患者さんとの信頼関係構築の難しさ
- 患者さんへの説明責任の重圧
- 患者さんからの要求に応え続けるプレッシャー

特に苦手な患者さんとのコミュニケーションは忍耐力とプレッシャーとの戦いです
診療業務
- 身体的な負担 (長時間立ち仕事、腰痛、肩こり)
- 精神的な負担 (ミスへの恐怖、患者への責任)
- 細かい作業への集中力維持
- 常に最新の知識と技術の習得

歯科衛生士は立ち仕事も多いため、かなり体力を消耗します。そして歯石取りの前傾姿勢は首と腰が崩壊します。
記録管理
- 患者さんごとの業務記録作成
- 正確性とスピードが求められる
- 時間的なプレッシャー
- 事務作業への負担

業務記録カルテの正確性とスピードはタイムトライアルのような競争です。
歯科衛生士の職場環境と人間関係の問題点
歯科衛生士の職場環境と人間関係は見えないストレスと深刻な問題です。
これらの問題は、歯科衛生士の心身の健康を損ない、離職に繋がる深刻な問題と言っても過言ではありません。
歯科医療はチームワークなので人間関係が悪化すると、職場全体に影響を及ぼすことがあります。
先輩衛生士や同僚とのトラブル
日本歯科衛生士会の勤務実態調査報告によると、転職又は現在の勤務先を替えたいと考えた理由として、「同僚との人間関係」が 16.5%となっています。
- 先輩衛生士の過度な圧力
- 仕事のミスをいちいち指摘される
- 陰口を言われたり、冷たい態度、無視

デンタルクリニックは女性が多い職場であり、派閥ができたり、陰湿な嫌がらせやいじめが発生しやすいという問題もあるとよく聞きます。
院長からのパワハラ
日本衛生士会の『「令和2年歯科衛生士の勤務実態調査報告によると転職又は現在の勤務先を替えたいと考えた理由として「経営者との人間関係」が 19.6%となっています。
- 患者さんの前で怒鳴られる
- 人格否定をされる
- 厳しい指導スタイル
ミスが重なってしまった時
歯科衛生士は、非常に高い技能と注意力を要求される職業ですが、時としてミスが重なることがあります。
初期の小さな間違いが積み重なると、患者に対しての信頼を失ったり、職場内での評価が下がることが心配されます。
このような状況は、自信喪失につながり、業務を続ける上での大きなストレスとなり、仕事を辞めたいと感じさせる要因にもなります。
- 患者さんに怪我をさせてしまった
- 治療がうまくいかなかった
- 院長から叱責された
患者さんからクレームを受けた時
患者さんからのクレームは、歯科衛生士にとって大きな精神的負担となります。
特に、治療に対する不満や恐怖、痛みなど、患者さんのストレスがクレームとして表れることが多く、これを受ける側の衛生士は大きなプレッシャーを感じます。
クレームを適切に処理し、患者さんとの信頼関係を保つことは容易ではなく、連続してこのような状況が発生すると、仕事への意欲を失う原因となります。
- 態度が悪いと言われた
- 治療結果に不満を持たれた
- 理不尽な要求をされた

「なんで定期検診に来ているのに虫歯になるんだ!」と怒られたことも多々あります
長時間労働による体調不良
歯科衛生士の仕事は、予想される労働時間以上に延びることがしばしばあります。
特に繁忙期やスタッフ不足の時は、長時間労働が常態化し、体調を崩しやすくなります。長時間労働が続くと、疲労が蓄積し、仕事の質が落ちるだけでなく、プライベートの時間も削られ、生活の質が下がることで、仕事を辞めたいと感じるようになります。
- 頭痛や肩こり、腰痛などの症状が出た
- 風邪やインフルエンザにかかった
- 体力・気力が低下した
勤め先でのキャリアアップの道が見えない時
キャリアの停滞は、多くの歯科衛生士が直面する問題です。
技術向上や新たな資格取得への支援が不足している職場では、自己成長の機会が限られ、将来への展望が見えにくいことがあります。
また、勤務先での昇進や給与の見直しが期待できない場合も、モチベーションの低下につながり、新たな職場を求めたくなる原因となります。
- 昇給や昇進の制度がない
- スキルアップの機会がない
- 将来のキャリアプランが描けない

頑張ってもゴールが見えないマラソンと同じ感覚で、どれだけ頑張っても報われることがないと感じます。
歯科衛生士を辞めたい気持ちは、誰にでも訪れます。
しかし、必ずしも転職や退職が唯一の解決策ではありません。
現状改善のために試したいことをまとめました。
すぐに辞める前に、現状改善を試してみることで、問題解決につながる可能性があります。
辞めたい気持ちと向き合う
感情的な判断ではなく、客観的な視点で考えましょう。
なぜ辞めたいのか、具体的な理由を明確にすることが重要です。一時的な感情で判断していないか、他の歯科医院で働いてみても良いか、歯科衛生士以外の選択肢も考えてみましょう。
今の職場での改善点はないか
問題点を洗い出し、改善の余地があるか検討しましょう。
- 人間関係の改善
- 仕事量の調整
- 研修制度の充実
- 給与の見直し
仲間の意見を聞いてみたり、自己分析をする(⭐️重要度高め!⭐️)
同じ境遇の他の仲間や同級生、先輩歯科衛生士の意見を聞くことで、新たな視点を得られることがあります。
仲間に相談する事で自分の価値を再認識し、自信を持って次のステップに進むことができるように支援をしてくれるかもしれませんし、不安や恐れを乗り越える助けにもなってくれるかもしれません。
また、自己分析や自分の強み、弱みなど、自分自身を理解する事は今後のキャリアアップ活動にとても役に立ちます。
今まで築き上げてきたスキルや経験を生かしながら、今までの経験で何を学んできたのか、今後歯科衛生士としてどう成長していきたいかを具体的に考えてみて箇条書きにしてみてください。
新たな気付きを得られる可能性もあります。

私が転職を考えた時はまず信頼している先輩に相談しました。
もし上記のような改善策でもダメだったり精神的にもしんどかったら転職を考えるべきです。
こちらでは歯科衛生士の転職に必要な準備などをお話します。
自己分析とキャリアプランについて考える
転職を成功させるためには、自己分析とキャリアプランの策定が不可欠です。
このアプローチにより、自己の能力とデンタルクリニックが歯科衛生士に求めているニーズを照らし合わせることができ、より戦略的な転職活動を行うことが可能になります。

私は自分の強みや出来る事、これから学んでいきたい事が明確にわかるように書き出しをしました。
歯科衛生士Aさんの場合

私の強みはコミュニケーション能力が高く、患者との信頼関係を築くのが得意です。
逆に弱みは時間が掛かりやすいので時間配分が苦手です。
上記のような歯科衛生士さんの場合は予防歯科に特化した歯科医院で活躍する歯科衛生士さんになれそうですよね。
衛生士業務も1時間位アポイントメントを取って、じっくりと患者様と向き合うクリニックが向いているかもしれません。
歯科衛生士Bさんの場合

私は専門知識の向上心が高く、積極的に研修やセミナーに参加することが好きですが、学ぶことが好きすぎて、仕事とプライベートのバランスが崩れやすいです。
上記のような歯科衛生士さんはとても多いように感じます。仕事の事ばかり考えてしまうとプライベートが充実しません。
仕事以外の何かに夢中になれる趣味を見つけると良いですね。

例えばゴルフが趣味だったらゴルフ好きの患者様との会話が盛り上がっていい関係が築けるかもしれません。
自己分析が終わったら次に「自分はどんな歯科衛生士でありたいか、将来どんな事で活躍したいか」を考える必要があります。
明確な目標と行動計画は、効果的な転職活動を導く事も出来ますし、履歴書を記入時や面接でも効果的です。
目標を設定しよう
歯科衛生士Cさんの場合

歯科衛生士歴も長くなり、キャリアアップをして特定の歯科クリニックでリーダーとして働くことを目指したい
目標達成に必要なスキルを明確にする
資格取得のための勉強: 資格取得のための勉強会に参加したり、オンラインセミナーを受講したりして、資格取得に向けて準備します。
スキルアップのための研修: スキルアップのための研修に参加したり、学会やセミナーに積極的に参加したりして、スキルアップを図ります。
人脈形成: 歯科医師や歯科衛生士との交流を深め、人脈を形成します。

他にも得意な英語を活かして外国人が多く来院するクリニックで働いたり、老人が好きなので訪問歯科で働きたいという仲間もいます。
面接突破口のコツ3選
①熱意をしっかりと伝えよう
- なぜそのクリニックで働きたいのか、具体的な理由を伝える。
- 患者様への貢献意欲、チームワークへの意欲を具体的なエピソードを交えて伝える。
- 質問に積極的に答え、熱意と誠意をアピールする。
②自身の強みや経験を具体的に伝えよう
- 過去の経験から得たスキルや知識を具体的に説明する。
- 過去の経験から患者さんへの思いやりの心と、コミュニケーション能力の高さを伝える。
- 質問に積極的に答え、熱意と誠意をアピールする。
③身だしなみに気を配り、好印象を与えよう
- 清潔感のある服装、髪型、メイクをする。
- 明るくハキハキと話す。
- 面接官の目を見て話す。

上記でお話した自己分析やキャリアプランがとっても役に立つのでしっかりまとめて下さいね。
退職意思の伝え方
直接院長に対して、丁寧かつ率直に退職の意思を伝えましょう。その際、退職の理由を簡潔に説明し、感謝の気持ちを表現しましょう。

メールやライン等で伝えるよりも院長や人事に直接会って真摯にお伝えした方が良いです。
退職届の提出
退職日、理由などを正確に記入し、誤字脱字がないように注意してクリニック規定に沿って提出します。
提出期限や必要書類を確認し、適切な手続きを進めましょう。

引き継ぎなどを加味して3ヶ月前に退職届を出すのが理想ですね。
業務の引き継ぎについて
後任者がスムーズに業務を開始できるようにするために必要です。
- 引き継ぎ内容をリスト化する
- 引き継ぎ担当者とスケジュールを調整する
- 引き継ぎ資料を作成して後任者には丁寧に確認する
- 担当していた患者様に説明をして後任者を紹介する

担当していた患者様にも感謝の気持ちを伝えましょう。
円満退職の重要性
円満退職は、将来のキャリアプラン実現やと転職活動をスムーズに進めるために重要です。
転職後のキャリアアップや人脈形成、さらには独立など、将来の選択肢を広げ、より良い歯科衛生士ライフを可能にします。
- 良好な関係維持: 退職後も良好な関係を維持することで、将来の転職や独立、人脈形成に役立ちます。
- スムーズな引き継ぎ: 円滑な業務引き継ぎは、あなたの責任感とプロ意識を示し、信頼関係を築きます。
- ポジティブな評価: 円満退職は、転職活動での評価を高め、次のキャリアへの道をスムーズに進められます。

歯科衛生士の仕事は患者さんの口腔ケアをサポートするという重要な役割を担っていますが、時には仕事の厳しさやストレス、待遇の問題などで「辞めたい」と感じることもあるでしょう。
一生懸命働いていたら、辞めたい気持ちは誰にでも起こり得ます。
しかし、辞めたいと思った時こそ、自身のキャリアパスや働き方を再考するチャンスです。
まずは自分が直面している課題を明確にし、解決策を模索することが大切です。仲間に相談したりやメンタルヘルスのサポートを活用するのも一つの方法です。
また、スキルアップや転職を考えることで、新たな可能性が開けるかもしれません。重要なのは、自分自身の幸せとプロフェッショナルとしての成長を追求することです。
そして最も重要なのは一人で抱え込まずに信頼できる仲間に話してみる事です。
お読み頂きありがとうございました。
参考にして頂ければ幸いです。