スポーツ用マウスピースは、運動中に歯や口腔内を保護するために使用される装置です。
特にコンタクトスポーツや激しい運動を行う際、歯の破損や顎の怪我、口腔内の損傷を防ぐ効果があります。市販のものと、歯科医師が個別に作成するカスタムタイプがあります。
スポーツ選手にとって、怪我のリスクを減らし、安全に競技を行うための重要なアイテムです。
ドラッグストアやスポーツショップで販売されている既成のものは、1,000円〜5,000円程度が相場です。
また、歯科医院で作成するカスタムマウスピースは相場は15,000円〜50,000円程度です。スポーツの種類や目的に応じてオーダーメイドで作られるため、高額になることがあります。
スポーツ用マウスピースの費用について
かずなか歯科クリニックでは単色(1色)であれば1つ5,500円(税込み)から低価格でお作りすることができます。
- 口腔内診査(虫歯や歯周病がある場合は先に治療となります。詳しくはスポーツ用マウスピースの作製の流れについてをご覧ください)
- 型取り
- スポーツ用マウスピース本体
スポーツ用マウスピースの種類と料金
かずなか歯科クリニックのマウスピースはFDI(世界歯科連盟) が承認したアメリカの老舗歯科メーカーkeystone社のPro-Formを採用しており、色々な種類が御座います。
名南歯科貿易株式会社より引用
単色 | 5500円 | |
2色タイプ | 6600円 | |
3色タイプ | 6600円 | |
ファンガード | 7700円 | |
グリッターガード | 7700円 |
歯ぎしり用のマウスピースや顎関節用のマウスピースは保険適応です。
料金は3割負担でおおよそ5000円くらいになります。
半年に1度作り直しが可能です。
スポーツ用マウスピースを使用するメリット
スポーツ用マウスピースとは、主に口腔内の保護を目的としたツールです。
競技中に起こり得る口腔内や顎、歯へのダメージを防ぐために使用されます。
特に、接触の多いスポーツ(ラグビー、アメリカンフットボール、ボクシングなど)では、顔面や顎への強い衝撃が避けられないため、マウスピースの着用が推奨されています。
1.衝撃の吸収効果
スポーツ用マウスピースは、外部からの衝撃を和らげる役割を果たします。
特に、顎や頭に受ける衝撃は脳震盪や深刻な頭部外傷を引き起こす可能性がありますが、マウスピースはその衝撃を分散させ、脳や歯の損傷を最小限に抑える効果があります。
2.歯の保護
競技中に衝撃を受けると、歯が割れたり折れたりすることがありますが、スポーツ用マウスピースは歯をしっかりと守るため、そうした損傷を未然に防ぎます。
また、マウスピースは歯と歯の接触を防ぐため、顎を強く噛み締めてしまった際の損傷も防ぐことができます。
3.顎関節の保護
顎はスポーツ中に大きなストレスを受ける部位です。
特に格闘技や接触の多いスポーツでは、顎への衝撃がダイレクトに伝わることがあります。
スポーツ用マウスピースは、顎関節をサポートし、衝撃を吸収することで、顎の怪我や疲労を軽減します。
4.口腔軟組織の保護
唇、頬、舌などの軟組織が衝撃で傷つくのを防ぐため、マウスガードが緩衝材の役割を果たし、裂傷や出血のリスクを抑えます。
歯科医院で作るスポーツ用マウスピースのメリット
1.カスタムメイドで作成できる
デンタルクリニックで作成するマウスピースは、個々の口の形状に合わせて作られるため、フィット感や保護効果が高いです。
一方、市販のマウスピースは汎用的な形状のため、適応性が劣ります。
アスリートの安全を第一に考えるなら、デンタルクリニックでの作成をおすすめします。
大学のフットボール競技において、歯科医が作成したマウスガードを使用した場合、複雑な脳震盪の発生率が著しく低いことがされていますが、これは自己調整型のマウスガードと比較して、より適切ですなフィット感や製作による衝撃吸収やエネルギーの分散が優れていることを反映している可能性がある。
試合中の大学フットボール競技における脳震盪の重症度に対するマウスガードの種類の影響より引用
2.パフォーマンスの向上
カスタムメイドのマウスピースを装着することにより、噛み合わせが安定してアスリートのパフォーマンスの向上が期待されます。
最近では選手自身の身体を外傷から守るという目的以外にも、接触プレーの際に自分の歯で相手を傷つけるのを防ぐ、歯の摩耗防止とかみ合わせの安定によるパフォーマンス向上などの効果が認められています。
公益社団法人 鹿児島県歯科医師会より引用
スポーツ用マウスピースの作製の流れについて
一般的なスポーツ用マウスピースの作製の流れについてを説明します。
- Step1 口腔内診査
- ドクターによる口腔内診査を行います。
場合によっては虫歯治療や歯石取りを優先的に行います。
(虫歯の治療や歯石取りは保険治療となります)
- Step2 マウスピースの種類選び
- スポーツによっては色の規定がございます。
詳しくはこちらを参考になさってください。
- Step3 型取り
- 患者様の口腔内で型取りを行わせて頂きます。
- Step4 お渡し
- 出来上がったマウスピースを口腔内で合わせます。
スポーツ用マウスピースの規定について
競技に必要な安全とパフォーマンスを両立させる必須アイテムのスポーツ用マウスピースの基準は以下となります。
義務
種目 | 対象 | 備考 |
---|---|---|
アイスホッケー | すべて | |
アメリカンフットボール | すべて | 白・肌色・透明は不可 |
キックボクシング | すべて | ストラップ付は不可 |
空手 | 一部団体 | |
格闘技(K-1) | すべて | |
格闘技(修斗) | すべて | 白・透明は不可 |
サッカー | 女子のみ | |
テコンドー | すべて | |
バスケットボール | すべて | 透明のみ |
ボクシング | すべて | 赤色は不可 |
ラクロス | 女子のみ | |
ラグビー | U-15(中学)・U-18(高校) | 赤色は不可(U-15) |
推奨・許可
種目 | 対象 | 備考 |
---|---|---|
硬式野球 | 高校生 | 白・透明のみ |
モーターバイク | トライアル競技 | |
ミニラグビー | U-12(小学) |
歯ぎしり用とスポーツ用のマウスピースの違いについて
1. 用途の違い
歯ぎしり用マウスピースは主に就寝時に使用され、無意識の歯ぎしりや食いしばりから歯や顎を守ります。
一方で、スポーツ用マウスピースは、運動中の激しい衝撃や衝突から歯を保護するために設計されています。
2. 素材の違い
歯ぎしり用マウスピースは、柔らかく快適な素材で作られていることが多く、長時間の装着に適しています。
これに対し、スポーツ用マウスピースは、より厚みがあり、硬い素材で作られており、衝撃を吸収しやすい設計になっています。
3. 装着感の違い
歯ぎしり用マウスピースは軽量で装着感が少なく、睡眠中の快適さを重視しています。
一方、スポーツ用マウスピースは厚みがあるため、多少の違和感がありますが、それでも口腔内の広範囲をカバーし、強力な保護を提供します。
よくある質問
スポーツ用マウスピースのよくある質問をまとめました。
-
初診ですぐマウスピースを作ってもらえますか?
-
もし虫歯や歯石が付いていた場合はそちらを優先させて頂きます。
スポーツ用マウスピースの型取り前に、虫歯治療や歯石除去を行うことは、マウスピースの適合性と口腔衛生の観点から非常に重要です。
虫歯治療を行うと、歯の形が変化することがあります。もし型取り後に虫歯治療を行うと、完成したマウスピースが歯に合わなくなり、十分な保護効果が得られない可能性があります。
また、歯石が付着していると、歯茎が腫れたり炎症を起こすことがあります。歯茎が健康でない状態で型取りを行うと、マウスピースが正確にフィットしないばかりか、使用時に痛みや不快感を引き起こす可能性があります。
- スポーツ用マウスピースは健康保険証で作ることができますか?
-
スポーツ用マウスピース作製は保険適応外で自費治療になります。
- マウスピースの型取りをしてから受け渡しまでの日数を知りたいです。
-
型取りをしてから約10日間位お時間を頂きます。
- マウスピースの保管方法を教えて下さい。
-
使用後は流水下で柔らかい歯ブラシで洗って下さい。
熱湯消毒は形が変形してしまうので絶対におやめください。
性質上、臭いを吸収しやすいため、マウスガード除菌・洗浄
スプレーやリテーナー洗浄剤を使用して頂くことをオススメします。こちらはかずなか歯科クリニックでも取り扱いのあるマウスガード除菌・洗浄スプレーEXです。
- 市販のマウスピースとの違いを教えて下さい。
-
市販のマウスピースと歯科医院で作るマウスピースの違いは以下の通りです。
市販のマウスピース 歯科医院で作る
マウスピース価格 2,000円~5,000円 5,000円~50,000円 入手方法 店頭・オンラインで購入 歯科医院で診察・製作 適合性 お湯で成形するため不完全 完全なフィット感 耐久性 数か月~1年 1年以上 素材 EVA樹脂など EVA樹脂、アクリル樹脂やシリコンなど