粘液嚢胞(ねんえきのうほう)とは?
粘液嚢胞とは、唾液腺がふさがって唾液が溜まって袋状に膨らんだものであり、主に下唇の粘膜や頬の粘膜、舌下、口底にできます。
大きさは5mm程度で、硬くならず痛みもほとんどありません。治療は通常必要ありませんが、大きさや症状によっては治療が必要となる場合があります。
口の中には大唾液腺の耳下腺、顎下線、舌下腺、そしてそれ以外に米粒大くらいの大きさの無数に見られる小唾液腺があります。
粘液嚢胞とは小唾液腺が何らかの原因で潰れて詰まってしまい、上手く唾液が排出されず、水ぶくれのように膨れ上がって生じてしまいます。
粘液嚢胞の原因について
誤って唇や頬の内側などを噛んでしまったり、ぶつけてしまったり、ほとんどは外傷性の場合が多いです。
この傷が治るときに、唾液を出す管が詰まってしまうことによって粘液嚢胞になると考えられています。
下唇を噛む癖なども粘膜を傷つける原因となるの好発部位は下唇ですが、粘液がある所はどの部位にもできます。
粘液嚢胞は潰れて治ってしまう事が多いですが、繰り返していくうちに繊維化して硬くなり、丸い形になってだんだん大きくなってしまいます。
かずなか歯科クリニック粘液嚢胞治療の流れについて
注意事項
・手術を当日すぐにしてほしい
・どのくらいで腫れがひくか?
というお問い合わせを多く頂きます。
原則、初診当日の粘液嚢胞摘出術は行っておりません。
初診時は院長が粘液嚢胞の大きさ等を診査し、注意事項などをお伝えしてから、次のアポイントメントで手術となります。
口腔内の状態によってはスケーリング(付着している歯石の除去)をおこなってからの手術となる場合も御座います。しっかりと現在の口腔状態を把握してから行うことが最善ですので、ご了承ください。
粘液嚢胞摘出術の料金について
粘液嚢胞摘出術の料金は、一般的には保険適応の3割負担でおおよそ4,000円程度が目安です。
また、場合によってはレントゲン撮影を行う場合もありますのでレントゲン撮影代が別途かかります。
薬代は1,000円程度です。
かずなか歯科クリニック流粘液嚢胞の治療について
当院では、ある程度経過をみて、繰り返して粘液嚢胞が硬く、大きくなってしまった場合は手術をして切除します。
当院は基本的に外科手術(切除術)を行います。麻酔を周囲に打ち、粘液嚢胞の膨れている周りに打ち、境界をはっきりさせポイントを付けておきます。
そしてメスで粘膜上皮の周りを切っていき、剥離をしながら粘液嚢胞を潰さないように1回で一塊にして切除します。
周りにも口唇腺という唾液腺が見えていますので更に悪い所を数カ所郭清して取り、術野がきれいになった事を確認して縫合します。
かずなか歯科クリニックではメスを使って切開します
術部の切開はレーザーを使用しません。創面を一期治癒にしたいので、レーザーよりもメスで切開を行った方が術後の創面が綺麗に治癒しやすいためです。
術中の止血にはレーザーを使用する場合もあります。
術後の処置について
感染防止のため、3日間位は抗生剤や痛み止めを投与します。
メスで切開をした部位は1週間程でくっついてしまいますので、確認後抜糸となります。
尚、一時的に痺れが出る場合が御座います。
術後数ヶ月は繊維化して硬くなる事がありますが段々と柔らかくなって消えていきます。
粘液嚢胞について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
粘液嚢胞でお悩みの患者様はかずなか歯科クリニックへ
原因の中で、最も一般的なのは、粘膜が傷付いてしまったり、歯並びや口内炎などの口腔内の状態によって、発生しやすさが異なることが報告されています。
具体的には、歯並びが悪い人や口内炎の患者さんは、粘液嚢胞にかかりやすい傾向があるとされています。
悪性ではありませんが大きいままで放っておくと日常生活に影響が出ますので早めに摘出される事をおすすめします。
かずなか歯科クリニックでは日々このような手術も行っておりますので、症状が見られたら是非ご相談下さい。