粘液嚢胞の治療方法や費用について知っておきたい事をまとめました

粘液嚢胞の治療方法や費用について 知っておきたい事


このようなご質問を当院でも患者様より多く頂きますし、とても気になることだと思います。


今回は粘液嚢胞の治療法について知っておきたいことをまとめました。

粘液嚢胞が出来てしまって手術を検討している方は是非参考になさってくださいね。

患者様からよく頂く質問をQ&A形式でまとめましたので参考になさって下さい。

粘液嚢胞や口内炎などの違いについて知りたい方はこちらもお読みください.

粘液嚢胞の治療法について

粘液嚢胞の写真
粘液嚢胞の写真

粘液嚢胞とは、唾液腺がふさがって唾液が溜まって袋状に膨らんだものであり、主に下唇の粘膜や頬の粘膜、舌下、口底にできます。


大きさは5mm程度で、硬くならず痛みもほとんどありません。治療は通常必要ありませんが、大きさや症状によっては治療が必要となる場合があります。


口の中には大唾液腺の耳下腺、顎下線、舌下腺、そしてそれ以外に米粒大くらいの大きさの無数に見られる小唾液腺があります。

粘液嚢胞とは小唾液腺が何らかの原因で潰れて詰まってしまい、上手く唾液が排出されず、水ぶくれのように膨れ上がって生じてしまいます。

粘液嚢胞について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

手術で摘出

粘液嚢胞手術の写真

粘液嚢胞は非常に再発しやすいため、手術での摘出が一般的です。

局所麻酔を使用し、粘膜を切開して嚢胞を摘出します。同時に原因となる小唾液腺も取り除くことがあります。

手術後は傷口を縫合し、約1週間で抜糸が行われます。手術の所要時間は短く、痛みもほとんどありません。

粘液嚢胞の治療

嚢胞摘出を基本とします。原因となっている唾液腺も同時に除去します。大きいラヌーラ(がま腫)は、嚢胞の一部を開窓する(開窓術 かいそうじゅつ)こともあります。

 引用元 公益社団法人 日本口腔外科学会 

メリット

  • 嚢胞を取り除くと同時に原因となる小唾液腺も取り除くことが出来る
  • 再発を極力防ぐ事が出来る
  • 手術の時間が短い
  • 痛みはほとんど出ない
  • 術後は綺麗に治る

デメリット

  • 傷口を縫うので糸を取るまでは引っ張られる感じがする
  • 少し腫れる場合がある

レーザー治療

かずなか歯科クリニックで使用しているCO2レーザー
かずなか歯科クリニックで使用しているCO2レーザー

レーザー治療は局所麻酔を使用して、レーザーの光と熱で粘膜を切除します。

メリット

  • 出血が少ない

デメリット

  • 範囲がアバウトにしか切除できない
  • 手術よりも傷口の感染が起こりやすく、感染を起こしてしまうと、治癒時間が長くなったりしこりが残りやすい

凍結外科療法

液体窒素やアルゴンガスを使用して異常組織を破壊する方法です。

メリット

  • 出血が少ない

デメリット

  • 機械や設備が整っている特定の病院で行われることがあるが、利用できる医院が限られる

かずなか歯科クリニック流粘液嚢胞の治療法について

かずなか歯科クリニック院長の手術の写真

当院では、ある程度経過をみて、繰り返して粘液嚢胞が硬く、大きくなってしまった場合は手術をして切除します。

当院では切開をメスで行います。その理由について

術部の切開はレーザーを使用しません。レーザーよりもメスで切開を行った方が術後の創面が綺麗に治癒しやすいためです。

麻酔を周囲に打ち、粘液嚢胞の膨れている周りに打ち、境界をはっきりさせポイントを付けておきます。

そしてメスで粘膜上皮の周りを切っていき、剥離をしながら粘液嚢胞を潰さないように1回で一塊にして切除します。

粘液嚢胞の摘出手術の写真
粘液嚢胞の摘出手術の写真

周りにも口唇腺という唾液腺が見えていますので更に悪い所を数カ所郭清して取り、術野がきれいになった事を確認して縫合します。

粘液嚢胞の摘出手術の写真
粘液嚢胞の摘出手術の写真

術中の止血にはレーザーを使用する場合もあります。

術後の処置

感染防止のため、3日間位は抗生剤や痛み止めを投与します。

メスで切開をした部位は1週間程でくっついてしまいますので、確認後抜糸となります。

尚、一時的に痺れが出る場合が御座います。

粘液嚢胞摘出術、術後1週間経過の術部
術後1週間経過の術部

術後数ヶ月は繊維化して硬くなる事がありますが段々と柔らかくなって消えていきます。

粘液嚢胞除去の費用はどのくらいかかる?

粘液嚢胞の治療は保険適応です。


3割負担の場合、薬代を除き窓口料金はだいたい4000円となります。
ただし、状態によっても変わる場合が御座いますので事前にクリニックにお問い合わせ下さい。

粘液嚢胞の手術の痛みについて

この悩みは患者様が一番気になる所だと思います。

結論からお話しますと粘液嚢胞の手術は麻酔下で行うので痛みを感じる事はほとんどありません。
手術後は痛み止めを処方しますので、痛みが心配な場合は痛み止めを飲んでください。

手術後は1週間程度違和感を感じる事があったり、傷口を縫った場合は引っ張られる違和感が出る場合があります。

手術後のお痛みが心配な方はクリニックから痛み止めを追加してもらう事をお勧めします。

術後の合併症について

  • 一時的に(1週間〜2週間)術部に痺れが出る場合がまれにある
  • 傷口が繊維化するによって2ヶ月〜3ヶ月の間は傷口が硬くなる事もある
  • 粘液嚢胞の再発の可能性は0ではない

よくある質問

どのくらいの大きさになったら病院にいけば良いですか?
粘液嚢胞は小さくて直径1mm程度ですが、再発を繰り返していくうちに大きくなって固くなりますので早めの受診をおすすめします。
粘液嚢胞の手術はどの位の時間がかかりますか?
時間に関しては大きさにもよりますが、かずなか歯科クリニックの場合、だいたい20分位の時間で手術を行います。
粘液嚢胞は悪性腫瘍ですか?
粘液嚢胞は、口腔粘膜の小唾液腺の良性腫瘍性疾患です。
粘液嚢胞はうつりますか?
粘液嚢胞は細菌性やウイルス性ではないのでうつることはありません。
生命保険の手術給付金の対象ですか?
加入されている生命保険の内容によっても変わってきますので一度加入されている生命保険にお問い合わせ下さい。診断書の発行は可能です。

まとめ

粘液嚢胞は悪性ではありませんが、大きいままで放っておくと日常生活に影響が出ますので早めに摘出される事をおすすめします。

かずなか歯科クリニックでは日々このような手術も行っておりますので、症状が見られたら是非ご相談頂ければと思います。