これだけは知っておきたい!全身疾患とインプラント治療のリスクついて

これだけは知っておきたい!全身疾患とインプラント治療のリスクついて

この記事でわかること

・インプラント治療のリスクが考えられる代表的な疾患は心疾患や脳血管の疾患骨粗しょう症糖尿病高血圧症である

・インプラント治療を成功させるには内科医との密な連携がとても大事である

インプラントとはなんですか

インプラント(implant)とは人の身体に人工物を入れる総称です。


歯科では歯を根っこごと失ってしまった部位にインプラントを埋め込んで人工的な根を作り、インプラントを土台にして人工的な歯を被せます。

歯科に関わらず医科でも整形外科の人工関節や美容外科で入れるシリコンもインプラントと呼ばれます。

インプラントと天然歯の違いについてのイラスト

インプラントは失った歯を取り戻す治療ですので天然歯と同じような感覚で咬む事ができます。

心臓や脳血管の疾患

  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 心情弁膜症など

心臓病、脳血管の疾患の人はワーファリンなど血液をサラサラにする抗凝固剤のお薬を服用されていると思います。

インプラントは歯茎を切開して骨に穴を開ける手術になりますので術中、術後に血が止まりづらくなる可能性が考えられます。

また、薬の服用を一時中止して手術を受けて頂く必要がある場合もありますので、しっかりと内科の主治医と連携を取って下さい。

骨粗しょう症

特に閉経後の女性に多い疾患の骨粗しょう症は、ビスホスホネート製剤(BP製剤)という薬を服用していることが多いです。

BP際剤は骨を強くするお薬ですが、副作用として細菌感染を起こしてしまうと、顎の骨が壊死しまうリスクがあります。

BP製剤を服用している人は、心臓病や脳血管の疾患と同様、薬の服用を一時中止して手術を受けて頂く必要がある場合もありますので、しっかりと内科の主治医と連携を取って下さい。

糖尿病

糖尿病の人は抵抗力が弱いので感染しやすく、傷が治りづらいのでインプラント治療の場合は特に注意が必要です。

一般的なインプラントの基準となる値

・空腹時の血糖値は140mg/dl以下(食後は200mg/dl以下)

・HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)6.9%以下

そして糖尿病の合併症として歯周病があげられますので歯周病も気を付けなければなりません。

天然歯が歯周病の場合は術後直後に細菌感染を起こしてしまい、腫れてしまう事があります。

また、インプラント周囲炎に罹患してしまう可能性がありますので、糖尿病をお持ちの人は歯周病菌のコントロールが必須となります。

高血圧症

基本的に診察室血圧の場合、140/90mmHgまたは家庭血圧が134 /84mmHg以上の場合で高血圧症と診断されます。

一般向け高血圧ガイドライン
一般向け『高血圧ガイドライン』より引用

インプラント治療の場合必ず麻酔をしますが、麻酔薬にはエピネフリンという血管収縮剤が入っていますのでインプラント治療というプレッシャーと重なって血圧が高くなってしまい、眩暈や動悸などの症状が出てしまう事もありますので信頼できるクリニックでリラックスして手術を受けて下さい。

まとめ

お話をした疾患をお持ちの人は、中高年に多いですが、インプラント手術を希望される年代でもあります。

インプラント手術を成功させるためには、必ず内科医と連携を取る必要があります。

そして信頼できるクリニックでインプラント手術を受けて下さいね。