インプラント治療は年齢制限はありますか?の疑問に詳しくお答えします

インプラント治療は年齢制限はありますか?の疑問に詳しくお答えします

この記事でわかること

かずなか歯科クリニック_院長のイラスト

・原則、未成年者はインプラント治療は難しいが年齢の制限はない

・高齢者は全身疾患によっては難しい場合がある

・インプラント治療後はメンテナンスに通わないといけないので家族の理解も必要である

インプラントとはなんですか

インプラント(implant)とは人の身体に人工物を入れる総称です。


歯科では歯を根っこごと失ってしまった部位にインプラントを埋め込んで人工的な根を作り、インプラントを土台にして人工的な歯を被せます。

歯科に関わらず医科でも整形外科の人工関節や美容外科で入れるシリコンもインプラントと呼ばれます。

インプラントの構造

インプラントは失った歯を取り戻す治療ですので天然歯と同じような感覚で咬む事ができます。

インプラント治療は年齢制限はありますか?

原則、未成年者はインプラント治療が難しいとされています。

しかし上限はありません。高齢者でもインプラント治療は可能です。

未成年のインプラント治療について

未成年者がインプラント治療が難しいとされているのには理由があります。

インプラント治療は顎の骨にチタンを埋入するので、顎の骨が成長してないうちにインプラントは埋入すると顎の成長の妨げになる可能性があるからです。

高齢者のインプラント治療にあたっての注意事項

インプラント治療の年齢制限はないものの、高齢者のインプラント治療に不安な人も多く見られると思います。

高齢者のインプラント治療にあたって、注意事項を確認したいと思います。

全身疾患の有無

インプラント治療が難しい全身疾患
  • 心臓病
  • 骨粗しょう症
  • 糖尿病
  • 高血圧

これらの全身疾患をお持ちの人はインプラント治療が難しい場合があります。

かかりつけの主治医に確認して治療を受けて下さい。

薬の服用について

上記の全身疾患をお持ちの人はお薬を服用されていると思います。

  • 心臓病の場合

    抗凝固剤と呼ばれる血液をサラサラにするお薬は手術中に出血が止まらなくなるリスクがあります。
  • 骨粗しょう症の場合

    骨粗しょう症をお持ちの人はビスホスホネート製剤(BP製剤)という薬を服用していることが多いです。BP際剤は骨を強くするお薬ですが、副作用として細菌感染を起こしてしまうと、顎の骨が壊死しまうリスクがあります。
    インプラントは骨に穴を開ける治療なのでBP製剤を服用している人は治療が難しい場合があります。

口腔内の状態について

天然歯が歯周病で口腔内の状態が悪い人はインプラント周囲炎になるリスクが高くなります。

インプラント周囲炎とは天然歯の歯周病と同じように歯茎が腫れたり膿が出てしまい、炎症症状が続くと骨が溶けて抜けてしまう症状で、歯周病よりも早いスピードで進行してしまう事が多いのが特徴です。

インプラント治療を受ける前に歯周病の治療が必須となります。

メンテナンスに通えるか

インプラントの維持はメンテナンスがとても重要です。

高齢者になると、唾液の量が減り、口腔内の環境も変わります。

インプラントの構造は天然歯よりも複雑なのでセルフケアだけでは不十分ですし、磨き残しが見られると、歯石が付着してインプラント周囲炎になってしまいます。

歯とインプラントの違い
天然歯とインプラントの構造の違いについて

ですのでセルフケアでは不十分になりますのでクリニックでの定期的なプロフェッショナルケアが必須となります。

高齢者になると車の運転が難しくなったり、ご家族の付き添いが無ければ通院できない場合もありますのでインプラント治療が難しくなる場合があります。ご家族ともしっかりと話し合って下さい。

まとめ

インプラント治療は20歳以上の人が対象となり、基本的に上限はありませんが、高齢者になるほど制限があったり、注意しなければならない事が増えてしまいます。

高齢者でインプラント治療を希望する人はかかりつけの医師、歯科医師にしっかりとご相談して下さい。