インプラント手術の失敗を後悔する前に知っておきたいトラブルについて解説します。

この記事でわかること

インプラント手術のトラブルになりやすい4つの症例

①インプラントが骨に付かない

②インプラント手術を終えた後も痺れや痛みが引かない

③インプラント周囲炎になってしまった

被せ物やが欠けてしまった、取れてしまった

インプラント手術のトラブルになりやすい4つの症例

トラブル1 インプラントが骨に付かない

インプラント(implant)とは人の身体に人工物を入れる総称です。


歯科では歯を根っこごと失ってしまった部位にインプラントを埋め込んで人工的な根を作り、インプラントを土台にして人工的な歯を被せます。

歯科に関わらず医科でも整形外科の人工関節や美容外科で入れるシリコンもインプラントと呼ばれます。

インプラントと天然歯の違いについてのイラスト

インプラントは失った歯を取り戻す治療ですので天然歯と同じような感覚で咬む事ができます。

付かない理由について

手術時の埋入角度と深さが適切ではない

インプラントは骨の中にチタンを埋め込む手術です。骨の厚さやチタンの長さは人それぞれですが、適切でなければ骨とくっ付かなかったり、骨からチタンが貫通してしまう可能性があります。

ドリリング中にオーバーヒートをしてしまう

手術中はドリルを回転させながら骨に穴を開けます。その際にオーバーヒートを起こして骨がダメージを起こし、上手くチタンと骨がくっ付かない可能性があります。

インプラントに過剰な力がかかっている

インプラント手術を終えたら、3ヶ月〜半年位チタンと骨がくっ付くまで寝かせますが、その期間にインプラントに過剰な力がかかるとインプラントが骨とくっ付かない場合があります。

全身疾患がある、喫煙者である

インプラント治療を行う場合、糖尿病や高血圧などの全身疾患や喫煙者はインプラントの早期脱落の原因となります。

トラブル2 インプラント手術中に合併症を起こしてしまった

歯が痛い女性の写真

歯科インプラント治療の合併症には,インプラント周囲炎,上部構造のトラブル,上顎洞炎(副鼻腔炎),神経麻痺(下歯槽神経麻痺など),インプラントの上顎洞内迷入などがあり,特に感染が問題になる

引用元 J-STAGE 歯科インプラント治療に伴う合併症

付かない理由について

上顎の痛みのトラブルは上顎洞炎の可能性が高い

手術の刺激によって上顎洞炎になってしまったり、元々上顎洞に炎症があったまま手術をすると腫れや痛みを生じて、インプラントの早期脱落の原因になります。

手術中に神経に触れてしまった

特に下顎の手術時にトラブルになりやすい例です。

下顎には下歯槽神経という太い動脈が走っており、手術時に下歯槽神経に触れてしまうと痛みが続いたり、痺れが出てしまう可能性があります。

インプラント手術の合併症を起こさないためには? 

インプラント手術前診査とは、インプラント治療を受ける前に必要なレントゲン診査、歯周病の診断、全身疾患の有無等を行い口腔内の状態を詳しく調べ、インプラント治療に適したかどうかを判断します。

インプラント手術前診査は、インプラント治療の成功率を高めるために非常に重要な役割を果たします。

診査により、口腔内の状態を正確に把握し、インプラントの埋入部位を診断してインプラント手術のリスクを最小限に抑えることができ、手術中や手術後のリスクを減らすことができます。

トラブル3 インプラント周囲炎になってしまった

口腔内の状態が悪かったり、歯周病の歯があるとインプラントも感染を起こしてしまい、インプラントが抜けてしまいます。

これをインプラント周囲炎と呼びます。

インプラント周囲炎とは天然歯の歯周病と同じように歯茎が腫れたり膿が出てしまい、炎症症状が続くと骨が溶けて抜けてしまう症状で、歯周病よりも早いスピードで進行してしまう事が多いのが特徴です。

インプラントの構造は天然歯よりも複雑なのでセルフケアだけでは不十分ですし、磨き残しが見られると、歯石が付着してインプラント周囲炎になってしまいます。

歯とインプラントの違い

インプラント周囲炎にならないようにする2つの予防について

セルフケア

フロスをしている女性の写真

セルフケアの基本はブラッシングです。インプラントの構造はとても複雑ですので丁寧なブラッシングを心がけて下さい。

しかし、歯ブラシだけでは不十分なのでデンタルフロスや歯間ブラシも必須となります。

デンタルリンスもバイオフィルムに働きかけてくれますのでとても有効的です。

プロフェッショナルケア

専門的な機械によるケア(PMTC)を受けている患者様の写真

専門的な機械によるケア(PMTC)を受けて頂きご自身では磨きづらい場所のプラーク除去を行います。

PMTCとは歯科医師や国家資格を持った歯科衛生士が(Professional )機械を使い(Mechanical )歯を(Tooth)クリーニング(Cleaning)する略です。

主に歯石取り、バイオフィルム(最近の塊)の除去、歯面清掃で歯をツルツルにする事により、バイオフィルムが付きにくくします。

セルフケアでは手の届かない歯と歯の間や歯周ポケットのプラークもクリーニングする事が可能です。

また、インプラントに歯石が付着してしまった場合も、特殊な機械で歯石を取ります。

トラブル4 被せ物やが欠けてしまった、取れてしまった

インプラントのイラスト

インプラントの被せ物は長期使用してると欠けてしまったり取れてしまう事があります。

頻繁に欠けてしまったり、取れてしまう場合は、噛み合わせが合っていない可能性もありますので
正しく噛み合わせを調整してくれる歯科医師にご相談してください。

また、歯ぎしりは被せ物が取れてしまう大きな原因となります。

寝てる間は自分で力のコントロールが出来ないので、マウスピースを付けて就寝することをオススメします。

インプラント手術を失敗しないために知っておきたい事

インプラント手術を失敗しないために事前にクリニックから説明があるかどうかもしっかり確認しましょう。

確認する事
  • 事前に説明がしっかりあるか
  • CT撮影をして骨の厚さや神経の位置の説明があったか
  • メンテナンスの重要性について話があったか

まとめ

インプラント手術は色々と症例がありますがその中でも多い4つの症例を述べました。

インプラントの失敗を防ぐには信用しているクリニック選びとクリニックからの説明をしっかり受けたかも重要なポイントになります。