総入れ歯やほとんど歯がない場合からインプラントに変える事は出来ますか?の疑問にお答え致します。

総入れ歯やほとんど歯を失ってしまい、入れ歯で生活をしているけど、もっと噛めるようになって食事を楽しみたいと思う人も多く見られると思います。

今回は総入れ歯やほとんど歯がない場合からインプラントに変えたい患者様の疑問にお答えします。

この記事でわかる事
  • 総入れ歯やほとんど歯がない場合でもインプラントに変える事は概ね可能である
  • 固定式にする場合は8〜10本程のインプラントを入れるので天然歯と同じような状態で噛む事ができる
  • インプラントと入れ歯を合わせる場合、2〜4本程のインプラントを入れ、固定源になり以前よりも噛む事ができる
  • とても高額になってしまうケースが多い
  • インプラントの維持はメンテナンスが必須である

インプラント治療とは?

インプラント(implant)とは人の身体に人工物を入れる総称です。


歯科では歯を根っこごと失ってしまった部位にインプラントを埋め込んで人工的な根を作り、インプラントを土台にして人工的な歯を被せます。

歯科に関わらず医科でも整形外科の人工関節や美容外科で入れるシリコンもインプラントと呼ばれます。

インプラントは失った歯を取り戻す治療ですので天然歯と同じような感覚で咬む事ができます。

総入れ歯やほとんど歯がない場合からインプラントに変える事はできますか?

総入れ歯やほとんど歯がない場合からインプラントにする事は概ね可能です。

しかし、歯周病で歯を失ってしまった人や、残っている歯に歯周病が見られる場合は顎の骨が痩せてしまっている場合があります。

インプラントは骨が無い部分には埋める事が出来ないので事前にレントゲン撮影やCT撮影などで確認が必要です。

また、骨が無い場合、骨造成という骨を造る手術が必要な場合があります。かかりつけのクリニックに相談して下さい。

全身疾患をお持ちの人や喫煙者の人はインプラントが難しい場合もあります。

総入れ歯やほとんど歯がない場合からインプラントに変える方法について

総入れ歯からインプラントにする場合は「固定式」と「インプラントと入れ歯を合わせる」2種類あります。

固定式の場合

従来のインプラント治療と同じように失った部位にインプラントを埋めて3、4ヶ月後に最終的な被せ物という流れになります。

口腔内の状態や残っている歯の本数によっても異なりますが、基本的には8〜10本程のインプラントを埋め込みます。

インプラントと入れ歯を合わせる場合

2本〜4本のインプラントを固定源にして入れ歯を被せます。

総入れ歯の場合、歯茎で固定しますので不安定になったり、歯茎が痩せたりすると合わなくなってしまいますのでインプラントを固定源にする事により、かなり安定して入れ歯を入れる事が出来ます。

また、残っている歯に入れ歯のバネを引っ掛けて使う場合もあります。

総入れ歯やほとんど歯がない場合からインプラントにする期間や費用を知りたい

固定式の場合

通常のインプラント治療の場合、手術を行ってから3ヶ月〜4ヶ月置いてインプラントと骨がしっかりとくっ付いている事を確認してから被せ物を作ります。


基本的な治療の場合、インプラントを埋め込んでから被せ物が入るまで5ヶ月〜半年
となります。

費用は一本あたりの平均値で20万円〜40万円が相場となります。

また、インプラント体と被せ物の費用が別になっているクリニックもあります。

出典元:日本口腔インプラント学会

インプラントと入れ歯を合わせる場合

上記でも述べたように、通常のインプラント治療の場合、手術を行ってから3ヶ月〜4ヶ月置いてインプラントと骨がしっかりとくっ付いている事を確認してから入れ歯を作ります。

入れ歯は作成に5、6工程ありますので、型取りから1ヶ月半〜2ヶ月程度で最終的な入れ歯を装着します

費用はインプラントの金額➕入れ歯となり100万円〜200万円程度が相場です。

総入れ歯やほとんど歯がない場合からインプラントにするメリット

固定式の場合のメリット

  • 天然歯と同じような感覚で噛めるようになる
  • 口の中の異物感が無くなるので、快適に生活できる
  • 毎日取り外しをして洗浄する手間が無くなる

インプラントと入れ歯を合わせる場合のメリット

  • 固定式よりもインプラントを埋める本数が少ないため、費用を抑える事ができる
  • インプラントが固定源になるため、噛む力が大きくなる
  • 取り外しが出来るのでブラッシングやメンテナンスが行いやすい
  • 上顎の場合は入れ歯を小さくする事が可能である

総入れ歯やほとんど歯がない場合からインプラントにするデメリット

固定式のデメリット

  • 失われた歯の本数分のインプラントを埋めるので費用が高額になる
  • 手術が広範囲の場合は時間がかかり、身体的にも負担が掛かる
  • インプラント周囲炎という歯周病と同じ症状になる可能性があるのでメンテナンスが必要にある
  • 被せ物の作りが複雑だと磨き残しが出やすくブラッシングにテクニックを要する

インプラントと入れ歯を合わせる場合のデメリット

  • 噛めるようになるので入れ歯に負担がかかり、壊れてしまう事がある
  • インプラントの本数が少ない場合、インプラント自体に負担がかかり、トラブルを起こす場合がある
  • 入れ歯を入れるので装着感は変わらない

インプラントの流れについて

初診・カウンセリング


歯科医師によるカウンセリングと検査を行い、インプラント治療が適しているかどうかを判断します。患者さんの全身状態や内科的な疾患等を確認し、レントゲンやCT撮影を行い、骨の状態や歯肉の状態などを詳しく調べます。
歯周病の患者様は歯周病治療が優先になる場合もあります。

インプラントの説明
治療計画の決定

step1の資料を元に医師が具体的な治療計画を決定します。
インプラントの種類や配置位置、必要な場合は骨造成が必要かどうかを決定します。
歯周病などによって骨が溶けてしまった部位には手術をする事が出来ませんので、インプラント手術を行う前にあらかじめ骨造成を行う事により、骨量や骨の厚さが増してインプラント手術を可能にする環境を作ります。
骨を作ってからは状態によって数ヶ月待機します。

自己血由来を用いた再生医療
骨造成に使用する自己血由来を用いた血液
インプラント手術(一次手術)

あごの骨にインプラント体を埋め込みます。局所麻酔で行うので、痛みを感じることはほとんどありません。手術時間は約1時間~2時間程度です。
インプラント体と骨が結合するまで、約3ヶ月~6ヶ月ほど待機します。
待機している間は今まで使用していた入れ歯や、仮歯を装着することが可能です。

インプラント治療をしているかずなか歯科クリニックの院長
アバットメント装着(二次手術)

アバットメントはネジ(インプラント)と上部構造(被せ物)をしっかりとつなぎ、自然な噛み心地や見た目を提供する小さいですがとても重要な部分です。
アバットメント装着手術時間は30分〜1時間程度です。

人工の歯(被せ物)や入れ歯の製作

固定式の場合)
アバットメントが装着されたら人工の歯(被せ物)の型取りをします。被せ物が入ってインプラント治療は終了です。

インプラントと入れ歯を合わせる場合)

入れ歯の場合は今まで使っていた入れ歯を使う場合や新しく作る場合も御座います。

インプラント本体と入れ歯にボタンのような留め具を埋め込みます。インプラントを固定源にして維持をする事によって、力を入れやすくなり、咬合力がアップし、通常の総入れ歯よりも格段に噛めるようになるため、入れ歯の調整が必要な場合があります。

まとめ

かずなか歯科クリニック院長愛犬のノンちゃん

いかがでしたか?多くの歯を失ってしまい、入れ歯生活を余儀なくされている人でも、インプラント治療を行えば、お食事が楽しめるかも知れません。

総入れ歯やほとんど歯がない場合からインプラントに変える事は概ね可能です。

大切な事は、インプラントを維持するために、定期的なメンテナンスや徹底したブラッシングが必要です。

インプラントを入れる本数や骨の状態によっても固定式にするか、入れ歯タイプにするか、などの選択が変わってきますし、金額にも差が出ます。

それぞれメリット、デメリットがありますのでかかりつけ医や信頼できるクリニックで良く相談して頂けたらと思います。