前歯のインプラントは、唇側の骨が薄い・歯ぐき(軟組織)の形が見た目に直結・噛み合わせや発音の調整が繊細という理由で難易度は高めです。
ただしCTによる3D診断、サージカルガイド、骨造成や軟組織マネジメント、仮歯での形づくりを行えば、安全性と見た目の再現性を高められます。
前歯のインプラントの成功のカギは正しい診断(CT)と計画(サージカルガイド)、そして歯ぐき(軟組織)の形づくりです。
前歯のインプラントが可能な目安としては、骨量と歯ぐきの厚みが足りている、全身疾患のコントロールができている、清掃と通院が守れる、噛み合わせの状態が安定しているなどです。

前歯のインプラントで得られる利点を簡潔にご説明します。
見た目・噛み心地・清掃性・将来の選択肢まで、毎日の安心につながるポイントを厳選します。
隣の歯を削らない
ブリッジと違い、健康な隣在歯を大きく削る必要がありません。
自分の歯を守りながら、失った前歯だけを回復できます。
力が分散され、将来のむし歯や歯の寿命にも有利になりやすい点が大きな利点です。
見た目が自然に仕上がりやすい
仮歯の段階から形や長さ、歯ぐきのラインを作り込めるため、最終的に自然なスマイルへ近づきます。
素材(セラミックやジルコニア)と色合わせを工夫すれば、透明感やツヤも天然歯に近づけやすいです。
噛み心地・発音が安定しやすい
固定式なので食事がストレスなく行えます。
また、サ行など発音への影響も仮歯の段階で調整できます。
清掃やメンテで長持ちが期待できる
取り外し不要で、基本は通常の歯磨き+フロスやタフトで清掃できます。
清掃性を考えた形に整えれば、汚れがたまりにくく、定期メンテと合わせて長期的な安定を目指しやすい治療方法です。

一方で手術や費用、骨・歯ぐき条件、清掃やメンテの手間など注意点も。
把握しておきたいリスクを短く分かりやすくまとめます。
骨や歯ぐきの状態に左右されるので期間がかかることがある
前歯は唇側の骨が薄いことが多く、骨造成(GBR)や軟組織のボリューム調整が必要になる場合があります。適応外では即時仮歯が難しいなど、症例により治療期間やステップが増える可能性があります。
費用が高くなりやすい
仮歯の段階で歯ぐきの形を整え、色合わせや素材選択にも手間をかけるため、臼歯より費用が上がる傾向があります。
見積りは総額だけでなく、検査・仮歯・骨造成・保証・メンテの内訳まで確認しましょう。
骨再生医療とはインプラントは顎の骨にインプラントを埋入させて、骨とインプラント体を結合させて、人工歯根を作る治療です。その為、骨の量や、骨の厚みなどが十分でなければインプラント治療は行えません。
そのような患者様でもインプラント治療ができるようにする為に、当院では、骨再生療法を取り入れています。

GBR法(Guided Bone Regenaration)
GBR法 は骨再生誘導法で、上下顎の骨再生として行なわれます。
骨が足らない部位に自家骨や人工骨を補填して、人工膜(メンブレン)で覆い骨の再生を促します。
抜歯即時インプラント治療(抜歯とインプラントと同日に行う事)や抜歯後時間が経過した場合の骨補填として行う事もできます。

サイナスリフト(上顎洞挙上術)
サイナスリフトは上顎洞挙上術の1つで、主に骨が薄い人に行われる手術です。原則、骨が3mm以下の症例が適応です。
上顎骨の側方から歯肉を切開して骨を削って窓を作り、上顎洞の粘膜を持ち上げます。
上顎洞の膜が持ち上がった部位に人工骨を補填して歯肉を閉じます。
骨が出来上がるを待ち、数ヶ月経ったらインプラント治療を行います。

ソケットリフト(上顎洞挙上術)
ソケットリフトはサイナスリフトと同様、上顎洞挙上術で骨が3mm以上の症例が適応となります。
インプラント手術のように直接口腔内から上顎洞の粘膜を持ち上げます。
上顎洞の膜が持ち上がった部位に人工骨を補填して同時にインプラントを毎入します。


前歯のようにミリ単位で見た目が変わる部位では、特に時前の診査診断が重要となります。
CT
骨の高さ・幅・厚み、神経・血管などを3Dで把握することで安全な位置・角度で計画することができます。
サージカルガイド
サージカルガイドシステムのインプラント治療とは、予めCT撮影なのでシュミレーションを行い設計されたガイドのマウスピースをはめて手術を行う技法です。
設計通りに正確な位置でインプラントを埋入でき、手術は低侵襲で術後の痛みも出にくいのがメリットですが一方、マウスピースを作製するコストがかかることや、技術を持った歯科医師が限られている事がデメリットにあげられます。

骨が十分にある場合
骨の深さや方向など、正確な位置にインプラント体を埋入するガイドを作製する為の資料としてCT撮影と口腔内の模型を取ります。
検査結果をもとに、最適な治療計画とお見積もりをご提示します。
クリニックで撮影したCT画像を元に歯科医師と歯科技工士がどの位置にインプラントを埋入するか話し合い、歯科技工士がサージカルガイドを作製します。
インプラントの埋入手術を行います。作成したガイドに従って、ガイド付きでインプラント手術を実行します。
前歯は仮歯や仮義歯でカバーし、見た目を保護します。
手術から3〜4ヶ月経ち、インプラントと骨の結合が確認できた段階から始めます。
アバットメント製作〜上部構造(セラミック/ジルコニア)が装着するまで約1ヶ月ほどかかります。
骨造成が必要な場合
症例によっては予めインプラント手術前に骨造成を行う場合もあります。
その場合は半年以上の期間を要します。
骨の深さや方向など、正確な位置にインプラント体を埋入するガイドを作製する為の資料としてCT撮影を行います。
検査結果をもとに、最適な治療計画とお見積もりをご提示します。
クリニックで撮影したCT画像を元に歯科医師が骨造成の種類GBR・サイナスリフトなど)を決定します。
骨造成手術(GBR・サイナスリフトなど)
局所麻酔を行い、骨造成手術を行います。
- 骨が不足している部分に骨補填材を入れる
- 必要に応じて人工膜で保護する
手術時間は内容によりますが、30分〜1時間程度が一般的です。
痛みや腫れは一時的で、術後は痛み止めや抗生剤でコントロールします。

骨の治癒・安定期間(待機期間)は目安:半年〜1年程度
骨造成後は、新しい骨がしっかり作られるまで待つ期間が必要です。
(状況によりインプラントと同時に行うケースもありします。)
手術から半年以上経ち、人工骨が確認できた段階から始めます。
骨の深さや方向など、正確な位置にインプラント体を埋入するガイドを作製する為の資料としてCT撮影、ガイド作製のための型取りを行います。
インプラントの埋入手術を行います。作成したガイドに従って、ガイド付きでインプラント手術を実行します。
前歯は仮歯や仮義歯でカバーし、見た目を保護します。
手術から5ヶ月経ち、インプラントと骨の結合が確認できた段階から始めます。
アバットメント製作〜上部構造(セラミック/ジルコニア)が装着するまで約1ヶ月ほどかかります。

| 項目 | 料金(税別) | 料金(税込) | 備考 |
|---|---|---|---|
| インプラント治療費 | 380,000円 | 418,000円 | 検査費・手術費・上部構造込み |
| 事前の骨造成 | 50,000円 | 55,000円 | 必要な場合のみ |
| サイナスリフト | 200,000円 | 220,000円 | 上顎洞挙上術 |
| ソケットリフト | 35,000円 | 38,500円 | 上顎洞底挙上術 |
インプラント治療費:38万円(税込41万8,000円)
検査費・手術費・上部構造を含みます。
骨造成:5万円(税込5万5,000円)
骨量が不足する症例で必要に応じて実施します。
サイナスリフト:20万円(税込22万円)
上顎洞挙上術が必要な場合に行います。
ソケットリフト:3万5,000円(税込3万8,500円)
小範囲の上顎洞底挙上術です。
歯を失った際の治療はインプラントだけではありません。
「部分入れ歯」と「ブリッジ」という二つの有力な選択肢のメリット、デメリットを解説します。

部分入れ歯

入れ歯は基本的には取り外し式となります。
- 保健適応なので料金が安い
- 治療の期間が短期間で済む
- 修理や調整がしやすい
- 自費診療の場合は目立たない薄い入れ歯もある
- 取り外し式なのでお手入れしやすい
- 健康な歯を削る必要はない
- 保険適応の入れ歯は厚みがありバネが目立つ
- 食べカスが入りやすい
- 天然歯に比べ咬合力は30%〜40%位と言われている
- 食べにくい物もある
- 破損する場合が多い
- 毎日取り外してお手入れをする必要がある
ブリッジ
ブリッジは基本的には固定式となります。

- 入れ歯の様に取り外す必要がない
- ほぼ天然歯と同じ様な感覚で噛める
- 治療期間が短期間で済む
- 1、2本の少数歯の欠損の場合は保健適応
- 健康な歯を必ず削らなければならない
- 清掃性が悪く虫歯になりやすい、歯茎が腫れてしまうなどの症状になりやすい
- 欠損部位によっては保険適応外になってしまう
- 破損した場合の修理が出来ない
- 保険適応のブリッジは金属になる部位がある

安心して治療を任せられる歯科医院を見つけるには、いくつか確認しておきたい「決まりごと」があります。
見積りの見方から、最新設備(CT)の必要性、そして意外と見落としがちなメンテナンスの話まで、医院選びでチェックすべき4つの重要ポイントをまとめました。
実績が豊富か
唇側の骨が薄い前歯では、骨造成(GBR)や軟組織のボリュームコントロールが必要になることがあります。対応経験が豊富だと審美の安定と長期予後に有利です。
「どの条件で骨造成が必要か、方法と期間、合併症と費用」を明確に説明できる医院を選びましょう。
CTなどの設備が整っているか
インプラント治療は、レントゲンだけの判断だけではリスクが高めです。
前歯は1~2mmの差が見た目に直結します。まずはCTで骨の高さ・幅・厚み、神経・血管の位置を立体的に把握できる医院を選びましょう。
また、CTでシュミレーションをして設計されたサージカルガイドを装着して手術を行うかも重要です。
サージカルガイドを装着してインプラント手術を行う事により、骨の深さや方向など、正確な位置にインプラント体を埋入する事が可能になります。
見積りの透明性と保証
見積りは「検査/手術/仮歯/最終(アバットメント・上部構造)/骨造成/メンテ/保証の含有・不含」が明確に説明できる医院を選びましょう。
また、追加費用の発生条件、再製作やネジゆるみへの対応も確認してください。
埋入して終わりではなく、メンテナンスの重要性も説明があるか
前歯インプラントは入れて終わりではありません。
術後は3〜6か月ごとの定期メンテで、噛み合わせ調整・清掃(バイオフィルム除去)・写真記録・ネジのゆるみ確認を行うことが長持ちの鍵です。
ホームケアは歯ブラシ+タフト+フロス(スーパーフロス)が基本。食いしばりが強い人にはナイトガードの提案があるかも確認しましょう。
良い医院はメンテ内容・間隔・再評価の基準を明確に説明し、トラブルを小さいうちに予防します。
- 痛みはどのくらい続きますか?
- 手術中は麻酔を効かせているので痛みにくいです。術後は内服・生活指導でコントロールします。
- 歯がない期間はありますか?
- 多くの症例で仮歯や仮義歯を装着して、見た目と発音をカバーします。
- 前歯のインプラントは審美で高いって本当?
- 一般的な前歯のインプラントは仮歯での形づくりや素材選択(セラミック/ジルコニア)、色合わせなど審美工程が増えるため、臼歯より高めになりやすい傾向があります。
